ある日突然、私はサレ妻のレッテルを貼られました。
サレ妻ってわかりますか?
浮気されたからサレ、浮気した方はシタ、なんていうみたいですよ。こんな言葉、それまで知っていたかどうかさえ今はわかりませんけど。
そんな「サレ」妻となってから10ヶ月ほど経ったころ、これまで私の心のうちにとどめておいた不貞の事実を、ついに白日の下にさらすことになりました。
そのときのことを記録したいと思います。
夫が風俗で遊んでいたことが発覚
とある日。夫が風俗を利用した形跡を発見した私は、ひどくひどくショックを受けました。信じていたものが一瞬で壊れ、すべての思考が停止、全身の力が抜けていくのを感じました。
もともと夫婦関係がうまくいっていたわけではないので、夫に打ち明けて問い詰めることはできませんでした。
知ったきっかけが本人のプライバシーにかかわる部分を見たからで、その負い目もありましたし、伝えたところで逆ギレされ、それにより修復不可能な状況に陥るのが怖かったからです。
そもそも私「風俗行ったら離婚するからね」て宣言してたので、もう離婚する覚悟で伝えるしかないですよね。
信頼関係がない、夫の謝罪もないとなるとそのまま離婚になるだろうなとも思いましたが、私にはその覚悟はありませんでした。
おばあちゃんになるまで言わないつもりだった
なんで行ったんだろう…なにがいけなかったんだろう…
そんな疑問がグルグルグルグル頭の中を支配し、毎日毎日考えては泣きました。きっと自分がいたらなかったせいだろう、と自分を責めました。どうしたら行かなくなるんだろうと悩みました。目の前が真っ暗でした。
理由を聞いて原因を知りたい。改善できることは改善して防止したい。2度と行かないでほしいので、そのための話し合いをしたい。私の気持ちを伝えたい。
けど、離婚する覚悟もないので聞けない…
言ったら開き直られて余計に行くのではないか。次はもっとうまく隠すようになるのではないか。でも、私にバレてることを言わないとずっと行き続けるのではないか。
人生に行きづまった感じがし、助けを求めたのが占い。すごーくうさんくさい世界ですが、ほかに頼るところがありませんでした。手軽な料金で受けれるココナラでいくつかの霊視鑑定を受けました。
幸いなことにとても信頼できる方に出会えたおかげで、悩んでいたことがクリアになり、自分が進むべき方向性が見えました。目の前が開けた感じですね。
なんとか気持ちを持ち直した私は、風俗のことは伝えずに夫婦関係を良くしていく道を選びました。
とはいえ、本人と問題を共有したい気持ちも残っている。バレなくてよかった、では悔しい。でも言えない。だから、おばあちゃんになったときに言おう。そう決めて過ごしてきました。
心のモヤモヤは消えない
私の心がひどく傷ついた事件でしたが、これをきっかけに自分の行動が変わります。
そのおかげで少しずつ少しずつ、関係性は良くなったかのように思えました。
ですが、浮気さえた傷はそう簡単には癒えません。相変わらず思い出しては涙が出る。目の前の相手を信用できない。
だって本人に伝えてないんです。謝ってもらってないんです。自分が悪かったにしても理由も分からなければ謝罪もないので、癒えるはずはないですよね。
このままバレなければ何度でも行くのだろうという恐怖も感じていました。見過ごすって、辛いですね。
何も信じられない
そんな状態で10ヶ月過ごしましたが、このころの私にはもう何も信じられなくなっていました。
夫とどんなに関係がよくなろうとも、目の前の彼は浮気した。そんな人の「愛してる」が信じられますか?
「ここねちゃんだけだよ」なんて言われたときには、とてつもなく腹が立ちました。その言葉を、どうして嬉しそうなふりして聞かなきゃいけないのだろうと思いました。
この人は平気で嘘をつく。一体何考えているんだろう。違う女性と関係をもっておいて愛の言葉をささやける男。そういう目でしか見れないんですよ。
見えるものだけを信じれる強さがある人もいますが、私にはできなかった。だから、ここから信頼関係は築けないと思いましたね。
夫からみたら関係がよくなっているように見えても、私が向ける笑顔は嘘でしかなかったんです。
それは突然、衝動的に
先に書いたように、おばあちゃんになるまで言うつもりはなかったです。けど、溜まりに溜まったものがついに爆発します。
デートの帰り、モヤモヤが溜まって涙が出ました。自分でも、何に泣いてるのかわからなかった。
デートはすごく楽しかった。でも、ちょっとしたことで向き合ってもらえてないと感じてしまった。喧嘩したわけじゃない。自分の想いが届かない。自分の本音が言えない。そんなものが爆発した感じでしょうか。
その一言を言うまで、すごくためらった。言ったらどうなるんだろうかと怖かった。せっかく仲よく過ごせるようになった関係性が、また壊れるんじゃないかと不安だった。
でも、今の夫なら受け入れてくれるはず。つまり、謝ってくれる。悪いと思ってくれるはず。そっちに賭けた。で、泣きながら伝えたんですね。
「風俗に行ったよね」
「行かないでほしい」
夫の反応、逆ギレ、拒絶
責めるわけでもなく、怒るわけでもなく、自分の知ってること・気持ちをゆっくりと伝えました。逃げられたくなかったから。
でも夫は「行ってないよー」と否定。このままでは話が進まないので、どんな経緯で知ったのかを話しました。
それを聞いて言い逃れができないと思ったのでしょう。彼は逆ギレしました。
彼は、私が彼のプライバシーにかかわる部分を見たことを責めました。そんなことをする人に話したくないと、一方的に高い高い壁をつくられました。(詳細は身バレを防ぐために省きますが、よくあるバレ方です)
あー、これ以上話はできないな。言わなきゃよかった。ほんとにそう思いましたね。
今考えると、夫なりの防衛策だったのでしょう。もちろん私の行動に怒っていたこともたしかですが、不貞をはたらいたことがバレて必死で自分を守ろうとしたのではないかと思います。
新たな傷
でもね、私にとってはすごくすごくショックでした。浮気されて傷ついて、10ヶ月ひとりで悩んできて。どうしようもなく限界がきたから話したのに、なんでサレた私が責められるの?
そう思いました。
見た私も悪いかもしれない。いや、悪いよね。嫌なことされたんなら悪いのよね。それはわかるけど、浮気はそれよりも重大なことではないのかと悲しかった。
彼の態度に、誠意が感じられなかった。よくなったと思ってた関係性は、簡単に崩れる脆いものだったと知った。
なんかもういいや…と、また心が折れました。
最終的には夫から「悪かった」「申し訳ない」という言葉は聞けたけど、ツンとした態度からして本心とは思えないよね。
最初に逆ギレの姿勢をとっているので、その他の部分についてもなかなか本音は聞き出せず。その日は簡単な事実確認だけとなりました。
その後、数日かけて話し合いをし謝ってもらえたけど、一番最初のこの「逆ギレ」という反応が、私にとっては新たな別の傷となってしまいました。
だって、私にとってはふたりの関係を揺るがす最も重大な問題だったにもかかわらず、ちゃんと向き合ってもらえなかったと感じたから。
もしも最初にきちんと謝ってもらえていたら。もっと誠実に向き合ってもらえていたら。今とは違った気持ちで抱えられたと思います。
初動は大事ですよ。
言ってよかった
私は自分ひとりで抱えきることができず、衝動的にでしたが伝える方を選びました。その瞬間こそ後悔しましたが、今は言ってよかったと思っています。
たくさん話し合ったことで夫の本心にも近づけた気がしますし、隠れて何度も行ったかもしれないという不安からも、少しは解放されました。
また、あのまま知らないふりをしていたら夫は反省しなかったでしょう。私が知っていることを知らないと、それは夫だけの問題であってふたりの問題ではないんですよね。
そのうち記憶から消し去り、自分の中でさえなかったことにすると思います。私は知っているのに、それはあんまりじゃない?
ふたりの間にまたひとつ、黒いしこりが増えてしまったけど、これをきっかけに夫婦関係をいい方向へと持っていけたらなと思います。
そしてそれは、自分次第です。
▼話し合ったときのことを記事にしました。
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